包袋禁反言の法理(file-wrapper estoppel)とは

日本語で読んでも英語で読んでも中二病っぽいこの単語、ちなみにestoppel1単語で「禁反言の法理」と言う意味になる。要するに「前に主張したことと矛盾する主張をしてはいけない」という原則のこと。

実例をここに上げようとして調べていたら、禁反言の法理以外に関しても色々と書かれて判例へのリンクが張られた面白いページを見つけたのでリンクを張っておく。後でじっくり読もう。特許権侵害 - 塚原国際特許事務所 

今回例に挙げる判例はこちら http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=10577 簡単に言うと

Aさん「こんな発明を考えました!ラックの歯が~~という特許です!」
特許庁「それにはこういう先行事例があるよ」
Aさん「その先行事例では歯が一本しかなくて、そこに全荷重がかかるから、その歯が折れるとヤバいですよ!」
特許庁「そうか、じゃあ特許を認める」

といういきさつがあった上でAさんが

Aさん「Bさんの製品はうちの特許を侵害している!」
Bさん「え、全然違うじゃん?歯が1個だし」
Aさん「歯が複数だとはどこにも書いてないだろ!」

という訴訟を起こした。で、裁判所は「特許に文章として反映されてないとはいえ、意見書で『先行事例は一本だからヤバい』と答えている以上、歯が1本の場合は技術範囲から除外していると考えるべき」と判断した。これが包袋禁反言の法理。